Life

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       -Life- ~終わりなきストーリー~

 

-水から生まれ水に還るすべてのいのち。

それらひとつひとつは、水のように流れる人生という旅の中でいのちのバトンをつないでゆく。そしてそれはまた水のように様々な形や色に変化し、廻り、終わることなくいのちのストーリを描き続ける。-

 

 

2011年、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションとP&G(Procter & Gamble)のコラボレーションによるパッケージデザインプロジェクトにて、Dolce & Gabbanaの香水「Light Blue」が持つ、「トップノートからラストノートまでの流れるような多様な香りの変化」というイメージとそのストーリーを、「様々な形や色に変化しながら廻り続けていく水=LIFE」のコンセプトにつなげ、香りそのものが持つイメージにいのちを吹き込み表現した作品。

 

 

 

『誕生の瞬間』

 

Light Blue の香水を身にまとったその瞬間に広がるトップノートの代表的なシチリアンシトラスとアップルの香り。それはまるで夏の眩しいくらいに輝く太陽の元、シチリアの海から打ち上げられる波の水しぶきと、それら生まれたばかりの果実のいのちが混じわりはじけるような始まりの香り。いのちの誕生の瞬間。

 

『水といのち』

 

トップノートの終わりに近づき、徐々にブルーベル、ジャスミンなどの可憐で清らかな香りに変化してゆくこの香りは、それぞれのいのちが様々な方向に動き始めようとする躍動の瞬間、そして全ての生命体にとって必要不可欠な水との関わりをイメージ。

 

『人生の楽譜』

 

ミドルノートに移り変わるこの香りは、 様々な香りが溶け合い、それぞれが調和しながら存在し、川の流れのごとく速さを増して変化していく。

人もまた、一曲の音楽を奏でるようにそれぞれのいのちが自分というメインのメロディーを刻み、他者と共にハーモニーを奏で、それぞれが一曲の人生の楽譜を描いてゆく。そんな人の人生の旅を水の流れと音楽に例えた一枚。

 

『Core


ミドルノートからラストノートに近づいてゆく中で徐々に現れるムスクの香り。Light Blueの中で最も人間的なこの香りを、死と生、双方のイメージに一つに重ね、生命の中心=コアを表現。

『いのちといのち』

 


徐々にパウダリーな香りに変化しながら落ち着きをみせるラストノートの始まり。守られているかのようなこの香りは、いのちの行き着く場所=母胎、そしてその中で始まる生命のつながりをイメージさせる神秘的な香り。

母親という聖域の中で守られるいのち。いのちといのちのつながり。

 

 

『Home』

 

ムスクとアンバーの香りが残るラストノートの終盤は、静寂なる母親の胎内にある水= 海 を連想させるような、穏やかで心地のよい水の世界の香り。

すべてのいのちは水から生まれ、そして水に還ってゆく。

終わりゆくいのちの辿り着く場所、それは新たないのちが生まれる場所。

終わりでもあり、始まりでもある母親の胎内、そしてその聖域に存在する水。その穏やかで温かい水に包まれることで無限大のいのちの可能性がはじまり、それぞれが形を変え、再び終わることなくいのちのバトンをつないでゆく。